前置き
我が家でハンターカブを購入することとなり、2台持ちもアレなのでそれまで乗っていたSUZUKI 250SBを下取り車として手放した。が、ハンターカブ1台の生活はオレには少し物足りない。ハンターカブはいい意味でノンビリしたバイクだが、125㏄ということもありバイク特有のスリルがなかった。
ということで、2021年の年明けあたりからヤフオクでバイクを購入することを考えていた。候補は大型(750㏄以上)、赤や黄色など眺めるだけでも楽しめるボディカラー、30万円以下という条件で、車種は定めずにヤフオクアプリで"バイク車体"のカテゴリーを眺める毎日。
そういえば、いつかバイク屋さんで見かけたTriumphの2005年式Street Tripleは価格のわりに(中古で50万円)作りが凝っててよかったなーなんて思い出し、ヤフオクのTriumphカテゴリを覗いてみる。
すると、ひときわ目立つ車体色のフルカウルのバイクが。DaytonaのT595という古いバイク。595という車種名からミドルクラスかと思いきや、排気量は955ccだという。本来のハンドルはセパハンだが、このDaytonaはバーハン仕様になっている。
正直なところ、スーパースポーツは乗車姿勢がキツそうだし、はじめは眼中になかった。だが、これならイケるんじゃないだろうか。Street Tripleと同じ3気筒エンジンがどんなものなのか興味もある。
出品者は岐阜の個人の方で、商品写真に写りこんでいた景色で調べると、このDaytonaを撮影したのはバイク屋さんの敷地内らしい。岐阜といえば隣県だし、商品の配送をしてもそれほど高額にはならないだろう。
というわけで、粛々と入札して無事に最低価格で落札。バイク専門の配送などを手配してもらい、1月27日に自宅へ届けられることになった。
Daytonaと初対面
当日の朝。バイク専門の配送屋さんから、あと20分程度で自宅に到着するとの連絡があった。自宅の敷地内まではトラックが入れないので、広い道路まで出て配送屋さんのトラックが来るのを待つ。
オレのDaytonaは下段(トラックの荷台は2段になっていて、10数台のバイクが積まれていた)の最後尾に積まれていて、トラックのドライバーさんは慣れた動作でDaytonaを降ろす。
ドライバーさんから書類を受け取ったり、ハンコを押したりして受け取りは完了。エンジンをかけずに自宅まで押していくが、250ccのバイクとは違い、ズッシリとした重さを感じる。バーハンとはいえ低いハンドル位置、重心も高いので押し歩きには緊張した。
敷地内にDaytonaを停めて、あらためてマジマジと車体を見る。予想はしていたがヤフオクの商品写真の印象よりも汚れて傷んでいる。アンダーカウルにはヒビが入り、怪しげなボルトで固定されている。サイレンサーには立ちゴケのあとがあり、正体不明な液体が垂れた跡もある。バーハン仕様のトップブリッジはヘタクソな自家塗装がされていて、視界に入るたびテンションが下がりそうだ。まあいい。時間をかけてキレイにしてやろう。
ひとまずDaytonaとの初対面の印象はこんなところ。受け取ってすぐに雨がパラついてきたのでDaytonaを敷地の奥へ移動し、バイクカバーをかけておいた。家の中に入り、名義変更や任意保険の手続きについて確認をした。
このときは、その後の悲劇を想像していなかった。